『あのね、輝夜』


『私の他に、フェアリーが
見える人がいたの』



「それは、貴重な人間だな」



『私、フェアリーは
空想の中の生き物なんだって
ずっと思ってた』



『7匹のフェアリー達は
輝夜がここに居るから
来てくれたの?』


「それは違うよ!
愛舞が生まれた時から
ここに居るんだよ」



『えっ…?!』



「俺がきっかけで
愛舞は、フェアリーが
見えるようになっただけで」


「16年間ずっと
愛舞の側に居たんだよ」



『……そうなの?』


『…全然、気付かなかった
ずっと側に居てくれてたなんて』



『…っ…また…感動して
泣けてきちゃった…っ…』



「ここに居るフェアリー達は
アイリンに仕えていたんだ」


「だから、愛舞の誕生を
心待ちにしてただろうし
側から離れないんだろうな」


『…っ…そうなんだ
ありがとう…ありがと…うっ』



「愛舞はすぐ泣く
俺だって守りたいんだよ」


「おいで!愛舞」


輝夜は悔しそうな顔をして
私を近くに呼ぶと


「愛舞は、俺が守る!」


と、静かな低い声で囁いた。