小さな小さな鈴の音…




『スズランちゃん!』



来てくれたんだ
お花達、元気になったよ。


スズランちゃんの優しさと
希望の光のおかげだよ。


言葉は通じないけど
心では通じ合えるよね。



スズランちゃんは
頬に手を当ててうっとりしたり


花びらのようなスカートを
両手でキュッと摘んで
嬉しそうにクルクル回ったり


お花達が元気になったことを
とても喜んでいるように見えた。



そして、私が手入れを始めると
何処かへヒラヒラと飛んで行った。



何処に行くんだろう?



………体育館?



体育館の窓から、中の様子を
覗いているようだった。



『スズランちゃん』


私が声を掛けると
スズランちゃんは振り返り
ニコッ笑ったが


次の瞬間
ドキッとした表情になり
真っ赤な顔でうつ向いた。



「…月ノ瀬?」



『…わ…わあ!?驚いたっ!?
どうしたの嘩純くん?』


「いや、月ノ瀬こそ
こんなとこで何してんの?」


『え!?…あ!えっと…私は
さ、探し物かな!?』


「探し物?」



あれ…!?嘩純くんの目線の先
私じゃない。




…まさか!?
スズランちゃんが見えているの?


『……嘩純くん
もしかして…見える?』


「え!!もしかして月ノ瀬も!?」




『「見える!!」』




嘩純くんにも見えるなんて
何だか感動。



スズランちゃんはハニカミながら
嘩純くんをチラチラ見ていた。



まるで、恋をしてるみたいだった。