“いつもの所”って言うのは屋上。

本当は立ち入り禁止なんだけど、何故か、いつもドアが開いていて簡単に入れてしまう。

わたし達はいつもの様に人気の少ない階段を上り、すこし古びた屋上のドアのノブを捻る。

きぃ...

古さを物語るような錆びた音をたてて
ドアが開く。

ドアを開けるとそこは心地の良い世界が広がる。
暖かい日差し。綺麗な青空。

「んー、最近暑くなってきたよね。」

屋上に一歩踏み入れ、眩しそうに目を細めて千紗が言う。

「だねー。」

「よし、ここにしよか。」

決めた場所に座るとぽんぽんととなりを叩いて、私に座るように促す千紗。