「翡翠のおかげで、ちょっとは楽しくなったかも。」




「楽しくなかったのか?」




「うん。あんなとこ、いってもムダって思うくらい嫌だった。行けばみんなのいじめのターゲット。そんな毎日。」




斗真がとても驚いた顔をして、私の方を見た。




「いじめられてんのかよっっ!!」



「うん。暴力が絶えなかった。」




「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ツラかったよな。」




斗真は優しくぎゅっとだきしめてくれた。




「痛かったよな?ツラかったよな?翡翠が助けてくれるまで、ずっとずっと、いじめられてて。」




「‥ッッ!」





斗真の優しさに嬉しくて、涙が溢れ出てきた。




「誰だよ。雛葉、いじめたやつ。」




斗真がきいてきた。




ダメだよ。
言ったところで何も起こらない。




だって、斗真君の妹だよ?



斗真君を悲しませるだけ。




言っても、守ってくれないでしょ?