彼女とは店を出てすぐにあった分かれ道で別れた。
「あー、くそっ……」
彼女と別れた途端、糸がキレたようにだんだんムカムカしたものが胸に込み上げてきた。
「あんな奴の所為で――」
――お金を渡しに来た
ぜひデートでも――
「あんな……女のために」
――少なっ
たかが二万で図々しい――
「いつも俺はあの女の所為で!!」
――バラされたくなかったら
私の彼氏になって――
は? 彼氏?
何様だよ?
あれだってきっと唯が仕掛けたんだ。
俺はやましいことなんか一つもしてない!
――悪いのはあいつ、唯だ。
あいつが全てを打ち壊した。
俺の脳みそは歯止めがきかなくなっていた。
回りだした歯車
だんだん俺は俺に狂っていく