俺と彼女は窓際の席に向かい合って座り、お互い注文したものを食べていた。
「突然厚かましいことしてごめんなさいっ! 私、食べ物には目がなくて」
華奢な体をした彼女がこんなに大食いだったことに俺は驚きを隠せなかった。
彼女は片方にバーガー、もう一方にチキンを持ちさらにシェイクを飲んでいる。
美味しそうに食べる彼女の姿を見ていると、怒る気も失せてしまう。
まあ金の面は、菜々未にでも請求するかな。
とりあえず半分程食べたチーズバーガーを再び口に運んだ。
彼女はもうバカでかいバーガーを食べ終えて、いかにも辛そうなチキンを頬張っていた。
「あの……ケガ、大丈夫ですか?」
彼女が話し掛けてきた。
「ああ、うん。やっぱりちょっと痛むけど――
………………!!?」
俺の心臓が一瞬飛び跳ねる。
彼女の問いに答えたとき、近くから“あいつ”の声がした。
“あいつ”……つまり唯。