「返事はいいです。断られるの分かってますから」

 肯定の言葉を述べようとした俺に、彼女がきっぱり言った。


「え、なん――」

 なんで、と言いかけたとき、彼女は複雑そうな顔をして衝撃の一言を言った。



「優斗さん、可愛い彼女さんが居るんですもんね」



 ……。
 ………………。
 …………唯のことかぁー!!


 そうだ、俺は形式上唯の彼氏じゃねーか!

 っていうかなんでそんなことまで知って……あ、菜々未の親友だったな。
 なら菜々未情報か。


「彼女っていうかまぁそうなんだけど……実際はあんな不細工、いや不細工? ……」


 唯は一応可愛い。
 顔は。あくまでも顔は。
 内面は死滅だけどな。


 ああでもここでオーケーしたら、俺は二股してるってことになる。

 まず彼女がそんな関係を認めないだろう。

 唯にばれたりしたら地獄行きだし。

 唯と別れて彼女と付き合うって手もあるが、唯はそう簡単に別れてくれないだろう。
 別れてくれるのならもうとっくに別れている。


 どうする!?
 どうすんの、俺!?