あ、あり得た……じゃなくて。
「え? 俺? マジで?」
柄にもなく、テンパる俺。
いつもはコクられたくらいではこんなに焦んないけど……。
「まじ……です」
こんな真剣に告白されるのは初めてだった。
今まで、冗談半分に「好き」とか言われて冗談半分に「俺も」なんて言ってきた。
軽い女しか寄ってこなかった。
唯については論外だ。
「ごめんなさいっ、いきなり……困りますよね」
俯き加減で俺を見る彼女。
知ってるか、世間ではそれを上目遣いと言うんだよ。
「いやっ、困ることはない! 全然! 全く!」
慌てて否定語を重ねる。
そして、彼女をじっと眺めてみる。
よく人を見た目で判断するなって言うけれど……彼女は可愛い。
ふわふわ柔らかそうな栗色の髪を二つにまとめてあり、肌も白いけど血色が良く綺麗。
内面だって俺はよく知らないが、おとなしい感じだし、それでいてしっかりしてるところがまた良い。
俺はでしゃばったり騒いだりするようなギャル系の女子は好きじゃないから、彼女みたいな清楚系は見事にストライクな訳で。
――これって、断る理由無いんじゃ……!