「はわわ、本当大丈夫なんですか!? つ、掴まって下さいっ!」

 案の定、そんな俺に驚いて、慌てて手を差し伸べる彼女。


 うわー、さっきから俺、情けな過ぎ。


「家まで一緒に行きましょう。優斗さん家、すぐそこですよね」

 彼女は俺の腕を肩にひょいと担ぎ、ゆっくり歩きだした。


 お、男らしいー……。







「お兄ちゃん! ――と、え、のぞみ!?」

 家に着くと、我が妹が玄関まで出迎えてくれました。

 それが余計に恥ずかしい。
 穴があったら入りたいってこういうことなんだな。

「お兄ちゃっ……そのケガ……のぞみ何でここにっ!?」

「落ち着け」

 俺は彼女に軽くお礼を言い、玄関に座り込み靴を脱いだ。


「……どうしたの、そのケガ?」

 菜々未は二、三回深呼吸をして、息を整えてから言った。

 その質問は普通に気になるだろうが、あまり明確には答えることが出来なかった。

「なんというか……歩いてたら、腹殴られてそのままわぁーっみたいな?」

「わぁーって何? そこを詳しく説明してよ! っていうか疑問系で言われても困るんですけど!」

 そんなこんな言ってる間に、騒ぎを不思議に思ったのか母親が現れた。