結論から言うと……捕まりました。

 こいつら足速すぎだろ!
 俺だってまぁまぁ速いのに。

「へっ……いきなり走り出しやがって……」

 見知らぬ男達に腹殴られて路地裏に――って、これやばくない?
 ヤンキー系のドラマみたいじゃね?

「痛ってーな……」

 三人の男が俺を囲む。
 チャラチャラした若い男ばかりかと思ったら、そうでも無かった。

 一人は学生服を着ているから学生だろう。俺よりも若い。
 後はよく分からないけど、眼鏡をかけた大学生くらいの奴と、背が大きく迫力のあるマッチョ男。

 おそらくマッチョ男が俺の腹を殴ったのだろう。

 ――って冷静に考えてる場合じやないよな。

「てめえ金出せや」

 うわ、カツアゲだ。

 俺はマッチョ男を睨む。

「なんやその目はぁ!」

 怒鳴られて俺が少し怯んだ隙に、マッチョ男が俺の腹をまた殴った。

 先程より威力が強く、俺は体をくの字に曲げて倒れた。

「なんや、弱っちぃの!」

「う……がはっ……」

「財布とれ財布!」

 間髪を入れずマッチョ男が俺を蹴り、その間にポケットから財布が抜き取られるのを感じた。