「――そしてすぐ、ドアの向こうから変なくしゃみが聞こえてきたって訳」

「変なくしゃみで悪かったな――へっ……ぷしゅぅしっく」

 そんなことを言っていたらまたくしゃみが出そうになったが、からかわれたくないので我慢しようとしたら、余計に変なくしゃみになった気がする。

「ぶっ……」

「人のくしゃみ聞いて吹き出すなんて、失礼な妹だな」

 とか言ってみるけど、何か虚しい。


「だっておかし――ぺくし! ふぇ……」


「お前も今くしゃみした!」

 俺はすかさず指摘した。

「変なくしゃみじゃないし!」

「俺のだって変なくしゃみじゃ――くっしゃあぁみ!」

「やっぱり――びぇっくしゅ!!」

「っていうかさっきからくしゃみしてばっか――べっくしゃあ!」




「「………………」」


 俺はこの部屋が妙に肌寒いことに気が付いた。