唯の願いとは――『唯の彼氏になって』――これは一つの取り引きだった。


 唯の彼氏になれば、変態画像はばらまかれず、唯というなかなか上質の女も手に入り学校生活をエンジョイ出来る。
 ならなければ、変態画像を貼りだされ、楽しい学校生活はジ・エンド。

 その時、俺が持っていた唯のイメージは美女ってことくらいだったし、美女と付き合えるのなら……と俺はその条件を結構すんなりと呑んだ。



 だがしかし、だ。


 俺の前でも普通に他の男とメールや電話はするし、デートの途中で他の男に呼ばれてどこかに行ってしまったりもする。

 デートというのは表向き、ただの唯のショッピングだ。
 唯がブランド店を回り、俺の金で服等を買い、俺に荷物を持たせる。

 それを嫌がると、あの変態画像を見せられて脅される日々。



 本人は何も言っていないが、あのパンツは唯が仕掛けたんだと俺は確信していた。