「あり得ないよねホント!」

「菜々未よく言ったよ!」


「そうだよね!?」

 休み時間。
 私は友達と集まって先程の出来事について話す。

「っていうかさぁ、あいつ絶対紅子ちゃんラブなんだよ!」

 私は熱弁する。

「あいつって、隣のクラスの?」

 のぞみが問う。



「そうそう、えーと小椋大樹!」

「超うけるー!」



「……おい」

「ふっちゃけーあいつチビだし、背高い紅子ちゃんとは合わないよね!」

「おい」

「確かにー! っていうかそれ以前の問題? なんてねー!」

「きゃははは!」


「ぅおいっ!」

 周りの空気が硬直する。

「小椋大樹……」

 私達の後ろには、さっきの男子、小椋大樹がギロギロと睨みをきかせていた。

「いつから居た……の……?」

「あり得ないよねホント、くらいから」

 最初からじゃん!

「そ……そうなんだぁ! ははは……」

「爽やかな笑顔で誤魔化すな」

 ふえぇん……。