「わざわざ来てくれてありがとうね。
敦史もきっと喜んでいるわ。」
敦史によく似た笑顔の敦史のお母さん。
敦史の妹の遥ちゃんが生まれてすぐに、お父さんはなくなっているらしい。
「直ちゃん、結婚したのね。
おめでとう!」
「ありがとうございます。」
大切に育ててきた長男を亡くしたお義母さん。
自分だってつらかったはずなのに、ずっと私を支えてくれた。
「直ちゃんが幸せになってくれたら、敦史も嬉しいはずよ。
生まれたら抱っこさせてね!」
私のお腹を優しく撫でたお義母さんの笑顔に、敦史の笑顔がかぶる。
「直、大丈夫か・・・・・?」
気がついたら、ポロポロと涙があふれだして。
「お義母さん・・・・・・・・・・!!」
「直ちゃん、あなたはいつまでも私の娘よ。
敦史の分まで、幸せになってね。
旦那さん、直ちゃんのこと、よろしくね。」
優しく私を抱き締めたお義母さんは、墓地を後にした。