夕日が
帰り道を歩く私たちを照らす
「柊は、誰かに私たちのこと訊かれたりしなかったの?」
「何で?」
「何でって…」
絶対訊かれてるよね?
柊のクラスメイトとか先輩からとか
何でとぼけてるのかな
こっちは恥ずかしいってのに
私たちの家が見えてきた
もうすぐ着くという時に
「あのさ〜明日空いてる?話あんだけど」
「え?」
突然のことで足が止まる
「あ、空いてるけど…」
「んじゃ昼2時に駅前の公園な」
「え、あ、うん」
戸惑いながら返事する私に
「よし!」
そう言って、ニッと笑う柊
「んじゃ、明日!」
さらにそう言って家に駆け込んで行った柊
いつもなら約束せずに家まで訪ねてくるのに、しかも家が隣なのに待ち合わせって…変な感じ
それに駅前の公園てちょっと遠いな
それにしても…
話って何だろう…
何故かやけに鼓動が高鳴った
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思えば、この時から
胸騒ぎは始まっていたのかもしれない
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