…いや、そんなはずない
だって柊はもう…
じゃあ、あれは誰?
あの懐かしい面影は…
ねぇ、柊
柊なの?
そして視界からその男子が消えた瞬間
「す、好きです!」
長々と話していた今田先輩が急に声を張った
私はビクッとした
「付き合ってください」
今田先輩は今、一番大事で一番言いたかったことを伝えてくれたのだと思う
でも、私はそれどころじゃなかった
さっきの男子は誰なのか…
確かめたい、知りたい
「先輩、ごめんなさい。私、今はそれどころじゃないんです」
そう言って、私はさっき男子が消えて行った方へと走った
今田先輩には悪いことしちゃったし、失礼しちゃったと思う…
でも、私はあの男子が誰なのか気になって仕方なかった