「杏奈」

その一声で周りが一斉に静まった

私はゆっくり声の主を見る


「帰ろ」

彼はなんて平凡そうに言うのだろう

だけど助かった


私は女子たちに向かって

「じゃあ、また来週ね」

そう言うとすぐにカバンを持ち教室を出た

まださっきの女子たちが何か言っているが聞こえないふりをして行った