すると、母はやっと口を開いた
「杏奈、落ち着いて聞いてね」
…何を落ち着いて聞くことがあるの?
「…ねぇ、それ柊とは関係ないよね?」
「柊くんはね」
「…ねぇ、お母さんたら……ヤメテ?」
「…ついさっきね、交通事故で亡くなったの」
涙目の母
私は声が出なかった…
信じられるわけない…
昨日あんなに笑ってたのに
あんなに元気だった柊が…
死ぬわけない……
母は涙声で
「お通夜は明日でお葬式は明後日だそうよ」
まだ信じられない私
信じてないから涙も出ない
でも母を見ると本当なのかもしれないと…実感が少し出て来て
何も言わず母を抱き締めた
そして母も私も抱き締めた