少年には、彼女を幸せにしたいという夢があった。
それができなくなったいま、できることは彼女の幸せを願うこと。
彼女の命はまだまだ光を灯しているのだから、幸せにすることができない俺以外の人とこの一生を共にしてほしい。
___ただ、幾度も彼女の幸せを願っていたのだ。
それでも、彼女を想う気持ちだけは消すことができなかった少年はある日記に想いを書き留めた。
毎日、毎日心の中心にあるその想いを、ひたすら書き留めた。
___別れを告げ、彼女の前から消えた自分を探していると聞いてその思いが溢れ出さないように、とむりやり蓋をするのだ。