こっちの心配をよそに、にっしーはへーきへーきと軽く笑ってから。



「前半は俺だけど、後半はいつき先輩だから」



部室の奥の方で、二年生の先輩たちと笑っているいつき先輩を指す。

いつき先輩もこのハイヤーに関わってたんだ。
それなら納得。


それより、今はもっと別のことをにっしーに伝えた方がいいよね。

さっきからずっと聞こえる声のことを。



「そうなんだ。
ねぇ、にっしーグラウンド整備いかなくていいの?
先輩呼んでるよ?」



グラウンドの方からずっと先輩の声が聞こえるんだけど、と言うと、にっしーはあわててグラウンドの方を見る。



「やべっ。
それ、いつき先輩に渡しておいてもらえる?」


「いいよ。いってらっしゃい」