掃除をするのはマネージャーの仕事だから当然だとしても、こうやって感謝してもらえると、こっちもやりがいがあるというもの。


いい笑顔で喜んでくれるにっしーを見ていると、私まで嬉しくなってくる。

こんなに喜んでもらえるなんて、がんばってよかったな。



「あ、そうだ。
にっしーこれ誰のか知ってる?」



そういえばと思い立ち、掃除中に見つけたハイヤーと書かれた紙をにっしーに見せる。



「ああ、これ俺。

ノック中の高田っちのこと書いたんだけど、よく出来てると思わない?」


「に、にっしー......。怒られるよ。
さっきもスリッパがどうのって怒られたばかりでしょ......」



たしかに高田先生にぴったりだし、ちょっと笑っちゃったけど。

スリッパでくるし、高田っちとか言うし、おまけにこんなのまで書くし、もしバレたら高田先生の怒りゲージはマックスだよ。


得意気に紙をヒラリとさせているにっしーの行く末が、心配でたまらない。