本気で困るんだけど......。


小野くんのお母さんとやりとりしている間に、選手たちのミーティングが終わったみたいだ。

ミッチーたち一年生の何人かが、誰かのお父さんが運転してきた大型車に乗り込んでいる。


「あみ先輩は~......、あ、この前小野先輩かっこいいっていってましたよね?」


さ、さほちゃん......っ!

いつも私とくっつけようとしているミッチーがすでに車に乗ったのを見て、ターゲットを変えてきたさほちゃんをにらむ。


「わ、私、そんなこと......いや......」


言ってないって本人のお母さんの前で否定するのも失礼だよね。また口ごもっていると、小野くんのお母さんにニコニコと手を握られる。


「あらー、そうなの。嬉しいわぁ。
マサちゃん!帰るわよー」


小野くんを手招きして、白い軽自動車の後部座席に小野くんと二人押し込まれる。

口ごもってる間に、なぜか小野くんと一緒の車に乗せられてしまった......。