あの人がいいです!とも言えないし、かといって好きな男の子とかいませんから!と強く突っぱねるのも失礼な気がするし......。


「え~いいんですかぁ?
じゃあさほは西川先輩と一緒がいいです!」


さ、さほちゃん......。
そこで本命の名前出しちゃうんだ。

私がゴチャゴチャ悩んでいる間にもあっさりとお目当てを指名したさほちゃんを、あきれ半分尊敬半分のまなざしで見つめる。


先輩に同じサイン何回も出しちゃうミッチーもすごいけど、さほちゃんもやっぱりすごい。

今年の一年は度胸ある、ていうか二人ともずいぶん強気に攻めていくよね。


「さほちゃんはにっしーね。
あみちゃんは?」


小野くんのお母さん、にっしーって呼んでるんだ。
あ、そっか、小学校から小野くんとにっしー一緒だから......。


「いえ、私は特にいないので......。
誰でも......」


私にもふられて、あいまいに言葉をにごしていると、またまた~一人か二人くらいは気になる子いるでしょ?と返される。