ミットを口に当てマウンド上でヒロくんと何かを相談してから、ミッチーはホームに戻っていく。





プレイ再開後、順調にストライクをとり、あっという間にツーストライクに追い込む。


だけど、ツーストライクに追い込んでからのサインがなかなか気に入らないのか。

ヒロくんはミッチーが出すサインに、何度も首を振る。

これでもう四回目だけど......。
ヒロくんってそんなに球種あったっけ?


五回目にミッチーが出したサインに、ヒロくんはなぜかニヤリとして、それからようやくうなずいた。

......?なんで笑ったんだろう。


ようやくサインが決まったあと、ヒロくんは投球動作に......え!?

ワインドアップ!?


セットポジションからのクイックでなく、ヒロくんは大きく腕を振りかぶる。

ワインドアップの方が球威は増すみたいだけど、ランナー出てるのに、投球に時間のかかるワインドアップ?


ワインドアップで投げれば、モーションが大きくなり盗塁され放題。

ツーアウトだしホームスチールはないとみたのか、防ぐ自信があるのか。それとも、この一球で決める気なのか。


とにかくランナーが出ているにも関わらず、ヒロくんは強気にワインドアップできた。