点差はまだ十分あるとはいっても、ホームランを打たれてさすがに堪えたのか。

五番、六番の先輩たちも、続けざまにヒットで出塁した。


完全に流れがこちらにきている。誰もがそう思っていたと思う。


だけど......。





「ありがとうございました!」


サイレンの音ともにゲームセットになり、挨拶をした後。
流れたのは、相手校の校歌だった。


あの後、点差以上に勢いがあると判断したのか、むこうの監督が即ピッチャーをかえてきたんだ。

そして、新しく出てきたピッチャーにタイミングが合わず、結局そのまま点を取れず五回コールドで負けてしまった。