「その、さほちゃんがにっしーとくっついても、私としては全然いいんだけどね?
ミッチーはいいのかなぁって」


さほちゃんのその完璧なまでの鉄壁のガードに崩せるとこなんてどこも見つからなかったけど、最後の希望をミッチーに託す。

どうにか、さほちゃんの関心をミッチーに向けなくては、と。


「三浦くんはたしかにイイですけどぉ。
あみ先輩に悪いですしぃ。だって、付き合うのも時間の問題じゃないですかぁ。この前も一緒に帰ってましたよね?」


ちょっとぶりっこしながら、んーと唇をアヒル口にするさほちゃんはもう悔しいくらいに可愛い。


「な、なんで?私に悪いとか全然ないよ!
一緒に帰ったっていっても、あれは練習が長引いて危ないからって、いつき先輩に頼まれたからだよ?ミッチーとは同中で、帰る方向一緒だし。
ミッチーから言い出したんじゃないからね?
さほちゃんだって、あのとき久保先輩に送ってもらってたじゃん。

それに、何回も言うけどミッ......三浦くんは弟の友達だから。弟の友達と付き合うとかありえないでしょ?」


先ほどのさほちゃんばりにマシンガントークで、ここだけは負けられないと最後の攻防を試みる。


「えー?何が問題なんですかぁ?
ミッチーは弟の友達であって、弟じゃないんですよ?
何も問題ないじゃないですか」


そう言われると、たしかに問題はないような気も......。

って違う違う!丸め込まれてどうする。