「ねぇねぇ、なんでそんな顔赤いの?
あんなとこでにっしーと何してたの?
キスでもしてたりしてー」

「してない!まだなにもしてないから!」


部屋を出てエレベーターに乗ると、案の定ゆっちに質問攻めにされ、即否定して乱暴に七階のボタンを押した。


「まだー?それって、これからする予定はあったってことー?」

「ないよ!ないない!
......告白はされたけど」

「へぇー。やっぱりにっしーってまだあみのこと好きだったんだ。
ヨリ戻しちゃえばいいのに。
にっしーのどこらへんがダメなのよ?」


二階からまっすぐに七階にいくはずなのに、なぜか異様に長く感じる。ニヤニヤ顔のゆっちに、少しためいき。


「ダメとかじゃないよ。
でも......私はまだ小野くんが好きだから。
にっしーと付き合っても、また同じことの繰返しだろうし」


そうだ、私は小野くんが好きなんだ。

それなのに......。
ミッチーの筋肉に惑わされそうになったり、にっしーの告白に流されそうになったり、どれだけ気が多い女だ。