暗い押し入れのなか、すぐ近くにいる伏し目がちのにっしーは、冗談を言っているとはとても思えない。


「でも......にっしー応援してくれるって......」


にっしーの気持ちに全く気づいていなかったといったら、嘘になる。


なんとなくそうなんじゃないかなとは薄々思っていた、けど。

にっしー前は冗談とか言うし、彼女ほしいとか言うし......。どっちなのかよく分からなかったけど、でも今度こそ本気で言ってるのかな。


「応援はしようと思ってたし、あきらめようとも思った。
けどさ、やっぱムリだ。
つーか......、あみがさっさと彼氏作ってくれたらあきらめもついたかもしれないけど、そんな気配ゼロだから」

「......だって、私に簡単に振り向かない小野くんが好きだから」


そうだ、たぶん私は小野くんが他に好きな人がいて、誰とも付き合う気がないとこも全部ひっくるめて好きなんだ。

簡単に私にホイホイ振り向いてたら、もしかしたら幻滅してたかもしれない。


......ってそれ、永遠に付き合えないじゃん。
なんでこんなやっかいな人を好きになっちゃったんだ。


自分で言ってて、むなしくなってきた。
報われないなーとつぶやくにっしーの言う通りだ。