「あたしもヒロのとこいこうかな。
ね、あみもいかない?」

「ええ?私はいいよ。
先生にバレたら嫌だし、邪魔しちゃ悪いから」


なんといっても修学旅行には高田先生もきている。
バレたらとんでもない目にあうこと間違いなしだし、それにどう考えたって邪魔だよね。


「いいじゃん、いこーよ。バレないって。
ヒロ、にっしーたちの部屋にいるみたい。
みんなでトランプでもやろうよ」

「うーん......、にっしーだけならまだしも他の男子もいるんでしょ?」

「いるかもしれないけどー、大丈夫だって」


そんな軽く言ってくれるけどさ......、まいっか。
ちょうどにっしーに用事あったんだ。

初日ににっしーに買ったこのカステラ、まだ渡せてなかったんだよね。ついでにこれもっていこ。


カステラをスウェットのポケットに突っ込み、ゆっちと一緒にこっそりと男子の部屋に移動する。

どうか先生に見つかりませんようにと祈りながら。