「銀月舘ね、俺銀月舘と戦ってみたい」


目をキラキラと輝かせるにっしーは、見栄とかかっこつけでもなく本心からそう言ってるみたい。

強いチームとはなるべく当たらない方が勝ち進める確率も高くなると思うけど......。


でも、にっしーのそういうとこ好きだな。
計算とか考えなくて、強いチームとただ戦ってみたいっていう純粋に野球が好きなとこ。


「そっか.......。
あ、にっしー。戸塚くんが呼んでるよ?」

「ほんとだ。じゃそろそろ俺戻るね。またな」


戸塚王子や小野くんたちのところに走っていったにっしーを見送ってから、私はそのお店でひとつお土産を手にとった。


私もにっしーにお土産渡そ。
もらってばっかじゃ悪いし、それにこれにっしー好きそうだし。

お返しというよりも、私はただにっしーの喜ぶ顔が見たくて、手にもったものをレジに置いた。