「アップ、キャッチボール、ノック。
ノック終わるまでには先生くるみたいよ?」


ノックの後のメニューはまたその時言うって、と先生から聞いてきたメニューをにっしーに伝える。


「お!ってことは、今日グラウンド使えるの?」

「うん。まだちょっとぬかるんでるけど、ここのとこ雨ばっかりで、ずっと使えなかったからって」

「やった!久しぶりに野球できる!」


グラウンドを見ながらうなずくと、とたんにテンションが高くなるにっしー。


「......良かったね」


テストの話の時とはうってかわってテンションの高いにっしーにあきれつつも、同意しておく。

この二、三日はグラウンドが使えなくて、体育館でなわとびとか筋トレばっかりだったもんね。


どうもにっしーはテストの結果よりも、グラウンドが使えるかどうかのが気になるみたいだ。


......まあそうだよね、特進に入ったところで、うちの高校はバリバリの進学校ってわけじゃないから、居残り授業とかがあるわけでもない。

授業内容が多少変わるくらいで、部活の時間が削られるわけでもなし。


にっしーにとっては、そんなに興味のないことなのかも......。