「お前は此処で寝ろ。
 俺はリビングのソファで寝るから」

 莉王は少し考える風な顔をしたあとで、
「わかりました」
と言う。

「じゃあ、ちっちゃなお皿、ふたつ貸してください。
 深いやつ」

「何にするんだ?」

「コンタクト入れるんですよ。
 外してもいいですか?

 私、アレルギーがあるから、ハードレンズなんで、実はさっきからしんどかったんです」

「キッチンの皿、どれでも好きな使っていいが」

 そう言うと、ありがとうございます、と言って寝室を出て行った。

 ついて出ようとしたが、振り返り、ベッドの下を覗きそうになる。

 そこに何かが潜んでいそうで。

 ……別々に寝ると言ったが、違う意味で一緒に寝たくなったな、と思っていた。