「なに子どもみたいなこと言ってるんですか。

 訊かれない限り言わないです、そんなこと。

 それとも、卯崎さんは、見て欲しいんですか?」

 少し迷って、允は、

「そうだな」
と答える。

 一瞬、冗談だと思ったようだったが、莉王はグラスを置いて立ち上がった。

「わかりました。
 ちょっと見てみます。

 とりあえず、貴方の側には霊は居ませんから」

 部屋に入っても?
と莉王が訊いてきたので、何処でも入っていいと彼女に告げた。

 莉王が各部屋を覗いていく。

 真剣に調べているようだった。

 ソファーの下まで覗いている。

「……居ませんね」

 莉王は、寝室が一番怪しいと思ったようだった。

 最も、人が気を抜く場所だからだろうか。