允は今日は早めに仕事を切り上げられると言うので、莉王は外の自販機の辺りをブラブラしていた。
すると、真人がやってくる。
「よう。
潮さんでも待ってんのか?」
遠慮なく允を憎めると言った彼の前で、焼き肉につられて允と出かけるとは言いづらかったので、
「まあねー」
とだけ答えた。
「呑みすぎんなよー」
と手を振り、自分こそ、呑み会のようで、サッカー仲間と連れ立って出て行ってしまった。
あんたこそ、毎晩呑んでないか?
っていうか、何故、呑み会と決めつける、と思いながら見送ったとき、背後に允が立った。
「今のは真人か」
「そうですよ」
と言うと、
「真人も連れていってもよかったな」
と言い出す。
最近、ゆっくり話してないかららしいが。
そりゃ、真人が避けてるからじゃないんですかね、と思った。
っていうか、この人、本当に、式の日取りの打ち合わせだけのつもりだな。
私と二人で出かけても、デートとかいう感覚はないらしい、と溜息をついた。