「まあ、断りづらいですよね、焼き肉と言われると」
と莉王は立ち上がる。


「偉く素直だな」
と言う允に、

「昼に友人に、1200円で貴方のところに嫁に行け、と売り飛ばされたところなので」
と言うと、ほう、と言った允は、

「いい友だちだな。
 じゃあ、俺がその友だちに1200円払っておいてやろう」
と言う。

 だから、みんな、私をその値段で売り買いするな、と思った。

 いずれ、真人が1200円で、福耳を買いに来るに違いない。