積極的でなく、押しの弱い自分と、まったく同じタイプの男では、なんにも話が進まないだろうな、とは思う。
「莉王は、見合いか、ああいう強引な相手としか結婚できないわよ。
自分で選ぶ余地なし!」
潮はそう言い切り、佐江は允を擁護する。
「今朝、廊下近くで、卯崎さんを不良物件呼ばわりしてましたが、何度も言うようですが、あれ、相当の優良物件ですよ」
「……客観的に見て、そうなのかもしれないけど。
ひとつ、あの人に足りないものがあるのよ」
「なにそれ」
「思いつきませんが」
はっきり口に出すのは恥ずかしいのだが、足らないと思うのは、愛情だ。
最初から、打算で私を選んだみたいだが、今も恐らく、そのまま変わらない。
真人が彼を評して、意外にちゃっかりしていると言っていたが、そんなつもりが本人になくても、そう見えてしまうのは、やっぱり、私に対する愛情がないか、愛情が薄いせいだと思う。
「莉王は、見合いか、ああいう強引な相手としか結婚できないわよ。
自分で選ぶ余地なし!」
潮はそう言い切り、佐江は允を擁護する。
「今朝、廊下近くで、卯崎さんを不良物件呼ばわりしてましたが、何度も言うようですが、あれ、相当の優良物件ですよ」
「……客観的に見て、そうなのかもしれないけど。
ひとつ、あの人に足りないものがあるのよ」
「なにそれ」
「思いつきませんが」
はっきり口に出すのは恥ずかしいのだが、足らないと思うのは、愛情だ。
最初から、打算で私を選んだみたいだが、今も恐らく、そのまま変わらない。
真人が彼を評して、意外にちゃっかりしていると言っていたが、そんなつもりが本人になくても、そう見えてしまうのは、やっぱり、私に対する愛情がないか、愛情が薄いせいだと思う。