「式の日取りは決まりましたか?
 莉王さん」

 サラダに添えてある野菜チップスを食べながら、潮がにやにや笑い、そう訊いてきた。

 昼休み、允に会わないよう、みんなを急かして、ランチに繰り出していた。

 みな、話が聞きたかったらしく、一致団結して、素早くお茶を片付け、付いてきた。

 燦々と日の降り注ぐカフェの窓際の席で、莉王は暗く、茹でたジャガイモを突き刺していた。

 どうして、こういうところのフォークってピカピカなんだろうな。

 家で磨いても此処までにはならないが、とどうでもいいことを考えている莉王に、佐江が確認するように訊いてきた。

「卯崎さんちってお寺さんですよね」

 朝、そう大きな声で主張してたしね……。

「じゃあ、式もお寺で?

 卯崎さん、自分で挙げるんですか?」

 多香子が、
「莫迦ね。
 お父さんが挙げるんじゃないの?」
と答え、

「あ、そっかー。

 じゃあ、ドレスとか着られないんですか?

 それは厭ですよね」
と呟いていた。