「あの、すみません。

 時間がなくなってきたので、手短にお願いします」

 みな、給湯室へと向かっている。

 潮がこちらに少し手を上げ、

「先行っとくね」
と給湯室を指差してみせた。

「もう一度、言おうか。

 莉王。
 式の日取りを決めろ」

 大きな声で言うなーっ。

 允の口を手で塞ぎ、そのまま死に至らしめてしまいたい気持ちだった。

 允に言えば、冷静に、

『だったら、鼻も塞がないと』
と言い出しそうだが。

「そこまで付き合わないと、素晴らしい花さんとの見合いは断れませんか」
と問うと、允は、

「なんの話だ?」
と訊いてくる。

「允さんは何故かわからないけど、自己反省の意を示したかった。

 それで憧れの花さんとの見合いを断った。

 そうなんですか?」

 本人にズバリ聞いてみた。