来る途中、酔っぱらいにからまれた通りを、真人と歩く。

 やっぱり、こういうとき、男の人が一緒だと頼りになるな、と思った。

 また、変な人が来ても、追い払ってくれそう。

 卯崎さんだったら、どうかな。

 ……そもそも、酔っぱらいが近寄ってこないな。

 なんか怖そうだから。

「それにしても、莉王。
 お前が試合に来てたの、俺、見に来てたんじゃなかったのか」

「あれっ?
 知ってたの?

 私がたまに見に行ってたの」

「知ってたさ。
 俺は俺を見に来てる子たちは、みなチェックしてるからな」

「なんで真人を見に来たってわかるのよ」
と言うと、

「目線だ」
と言う。

 そんなもののチェックばかりしてるから、プロになりそびれたのではあるまいか。