だいたい、会社や学校なんて、広く、それに加え、学校の場合は、たぶん、安く、空いている土地を探すわけだから、どうしても、そういうところには、なにか出る。

 もと墓地だったりとか、多いものだ。

「友だちに付き合わされて、あんたの試合見に行ったときに思ったけど、真人の学校だって——」

 真人は自分で振っておいて、怖さで酔いが冷めたらしく、

「もうやめよう、この話……」
と大真面目な顔で言い出した。

 つい、笑ってしまう。

 まだ目の前で女の子はこちらを見ているが。

「よし、帰ろうっ」

 真人は勢いつけて立ち上がった。

 ブランコが大きく跳ねる。

 その瞬間、空気が切り替わったように霊も消えた。

 こういう勢いのある人間って、霊を寄せつけないよな〜と思う。

 下手な霊能者に祓ってもらうより、効果あるかも。

 まあ、本人に見えてないのが、問題だが。

 立ち上がり、莉王も並んで歩き出した。

「よかったわー、霊のおかげで帰る気になってくれて」

「霊もたまにはお前の救いになるんだな」
と笑うが、今回は、その霊が見えるおかげで、卯崎さんと結婚なんて話が出てきちゃったわけだけど、と思う。