結局、もう時間もないので、どうしても呑むと言い張る真人のために、缶チューハイを買って、公園のブランコに座った。

 いい音をさせて、缶を開けながら、真人は笑う。

「結構、怖いよなー、夜の公園ってー。

 よく怪奇映像とかであるじゃん。

 ブランコに小さな子どもが乗ってたりとか」

「それ、今、此処で言う?

 今まさに、私の前に女の子が立って、こっち見てるのに」

 ひっ、と真人がブランコの鎖を掴んで、逃げ腰になった。

 だったら、振るなよ、こういう話、と思っていた。

「あー、もう、普段言わないようにしてるのに。

 生きてる人間と区別つかなくて、うっかり言っちゃうとき以外には」

「なあ。
 もしや、社内にもいろいろ居るのか?」

「聞かない方がいいんじゃない?

 明日からも勤めたいなら。

 あの土地、もともとあまり良くない土地みたいだからね」