「卯崎允は清香さんを助けられなくて、見殺しにしたんですよーっ」
どきりとした。
最初に来たとき、忍が言った。
允を『救う』という話。
もしかして—— と忍を見ると、彼はこくりと頷いた。
「王子様は、実は床屋さんだったんだね」
と忍はグラスを磨きながら笑う。
「王様の耳の秘密を知った床屋さん。
でもさ、知ってた?
その話、本当は『許し』がテーマなんだよね。
真人は允を許したいんじゃないのかな」
真人は俯き、黙っていた。
このまま、忍さんが真人の允に対する恨みを終わる方向に持っていってくれそうな気がした。
でも、とりあえず、あの——
「ちょっと耳……離してくれると嬉しいんだけど」
場を壊さないよう、でも、痛いので、そうっと莉王はそう要求した。
どきりとした。
最初に来たとき、忍が言った。
允を『救う』という話。
もしかして—— と忍を見ると、彼はこくりと頷いた。
「王子様は、実は床屋さんだったんだね」
と忍はグラスを磨きながら笑う。
「王様の耳の秘密を知った床屋さん。
でもさ、知ってた?
その話、本当は『許し』がテーマなんだよね。
真人は允を許したいんじゃないのかな」
真人は俯き、黙っていた。
このまま、忍さんが真人の允に対する恨みを終わる方向に持っていってくれそうな気がした。
でも、とりあえず、あの——
「ちょっと耳……離してくれると嬉しいんだけど」
場を壊さないよう、でも、痛いので、そうっと莉王はそう要求した。