「そうかー。
 莉王ちゃんは、今日は王子と浮気かー」

「いやいや、待ってくださいよ。

 真人関係ないし、それ以前に、允さんが関係ないし」

 そう言うと、
「いいのー?」
と訊いてくる。

「ああ見えて、允、モテるんだよ」

「いや、どう見ても、モテそうですけど」

「あ、一応、そういう風には思ってるんだ?」

 ははは、と忍は笑う。

「真人、いつ来るの?」

「あと五十分で着くって言ってから、十五分くらい経ったかな」

「じゃあ、もうちょっとだね。

 莉王ちゃんの話はわかりやすいや。

 酔ってないからかな」

 いや、酔っぱらいと比べられても、と思っていると、忍は、

「だって、この店に入ってくるとき、既にかなり出来上がってる人多いんだよね」
と眉をひそめる。