真人の口振りだと、允、忍、真人、及川辺りは、顔馴染みのようだったので、そう訊いてみた。

「おー、王子!
 王子、そういや、同じ会社だったね」

「王子?」

「いや、うちによく来る子が、真人のファンでさ。

 真人の学校と近所の高校だったんだって」

「ええーっ。
 私と同じでしょうか」
とちょっと嬉しくなって訊いてみると、忍は、

「そうかもね。

 あれっ?
 莉王ちゃん、男子校?」
と言う。

 男か。

 っていうか、奴は近所の男子高でも王子と呼ばれていたのか。

「へえー。
 莉王ちゃん、真人と近所の学校だつたんだ」

「そうなんですよー」

 まあ、座って、とラグビー部とサラリーマンの間の席を勧められる。