「真人は人気ものだけど、騒がしすぎるからねえ」

「ご指摘どうも。
 ま、俺はそんな俺の人生、気に入ってるんだけど。

 でも、自分とは違うもの、違う人生にも憧れる」

 そう真人は少し、笑ってみせた。

「允さんて、男前だろ。
 身長もあるし」

 確かに、真人よりも大きいな、と気づいた。

 莉王も小さい方ではないが、二人とも莉王よりかなり大きいので、並んで立たなければ、二人の違いはよくわからないのだが。

「仕事もできる。
 なのに、人生にそれを全く活用してないところが、なんかすげえなと思って。

 モテるはずなのに、彼女も作ったことないし」

「作ったことないんだ〜」

 さもありなん、と思って聞いていた。

「しかし、モテるかしら?」

「まあ、言い寄る勇気のある女は居ないと思うけど」
と真人は笑っている。

 例の允の憧れの人の話を訊いてみようかと思ったが、真人がその話を知らない可能性もある。

 勝手にしゃべると怒られそうなので、黙っていた。