弱ったなあ〜。

 なんだか昨日のこと、うやむやになってるし。

 それより、なんだろうな、この状況。

 諸事情により、断れなかったので、允と一緒に社食に来た莉王だったが。

 允と向かい合わせに座っていると、混んでいるのに、何故か、このテーブルには誰も来ないという不思議な現象が起きていた。

 どういう組み合わせなんだろう、という目でみんなが見ている。

 寝起きのケーキのせいか、胸やけがして、食欲がなく、莉王はカレーを頼んでいた。

 それを無理矢理食べながら、

「そういえば、十五発なぐっていいですか」
と允に言うと、

「今、此処はやめておけ。

 お前が明日から来られなくなる」
と言い出した。

「あ、怖いんだ」

「お前が殴っても、ぺち、くらいしか言わないだろ」
と水を飲みながら、允は言う。

 いいや。
 ぱち、くらいは言うはずだ、と莉王は信じていた。

 そのとき、誰かが、ガン、とトレーをテーブルに打ちつけるように置いた。

「一緒いいですか、允さん」

 真人だった。