「あの、柏木さんとは親しいんですか?」

「親しいって言うか」

「高校からの付き合いって聞きましたけど」

「やだ。
 高校のときは、よく川原でランニングしてる真人とすれ違ってただけよ。

 うわっ、また汗臭い集団が来たっ、と思って避けてた」
と言うと、二人がどっと笑う。

「あの、柏木さん、もうじき、誕生日ですよね。
 なにあげたら喜びますかね?」

「ええーっ。
 真人の好きなものなんて知らないけど。

 誕生日もあげたことも貰ったこともないし。

 ああ、たぶん、女の子から貰うものならなんでも。

 って、女の子に言ってるの、聞いたことあるわ。

 たぶん、ベタなものでも喜ぶよ。

 今度訊いておいてあげる」

「莉王。
 先、行くぞ」

 場が和やかになったのはいいが、こうなると、女のトークは止まらない。