そして、

「えーと、なんだっけ?
 話?」
と二人を見た。

 彼女たちは慌てて、

「あの、えーっと。
 その、柏木さんのことで、ちょっとお訊きしたいことがあったんですけど、いいですっ」
と改まった口調で言う。

「ええーっ。
 なになに、気になるっ」
と何もわかっていない莉王は無邪気に訊いている。

「いや、あの、天野さん、今朝、柏木さんとタクシーで……」

 二人は気を使うように、こちらを窺いながら、しゃべっているのだが、莉王は、ケロッとしたものだ。

「ああー、来た来た。

 ちょっと間に合いそうになくってさ」

「駅か何処かで出会ったんですか?」

「いや、真人、昨日、うちに泊まったのよね」

 女子二人が一瞬、固まる。