部署に戻って真面目に仕事をしていた允だったが、お昼近くなり、時計を見た瞬間、先輩に声をかけられた。 「どうする? もうちょっと終わらないな。 今日も社食、時間ずらして行くか?」 そうですね、と言いかけ、もう一度、時計を見る。 「いや、今日はもう行きます」 「そうか。 俺はもうちょっとやってくよ」 じゃ、と手を挙げ、またキーボードを叩き始める。 允は椅子にかけていた上着取り、ひとり廊下に出た。