どうしようかな。

 允は別の部署に行ったついでに、迷いながらも、莉王の部署のあるフロアを歩いていた。

 さりげなく顔を合わせてみようか。

 だが、なんと声をかければ。

 忍にも懇々と説教されたし、自分がかなりまずいことをしたのはわかっている。

 しかし、なんと謝れば。

 いや、謝るのも変か、と思ったとき、どきりとした。

 莉王が廊下に出てきたからだ。

 窓から射し込む朝の光にちょっと憂い顔の莉王。

 初めて見たときも思ったが、細身だが、何処も遜色なく、スタイルがいい。

 表情のせいか、今日はいつもより、色気があるように感じられた。

 なんか……余計、声がかけづらいな、と思ったとき、莉王が顔を上げた。

「お、おは——」

 きゃあああああああっ。

 えっ!?
 えっ!?

 突然の莉王の悲鳴に、允は、らしくもなく慌てる。